唾液は、食事や発声をスムーズにするだけでなく、身体の健康や免疫機能などにも深い関わりがあります。
今回は、唾液にどんな働きがあるのかや、唾液量を増やして健康になるための情報を紹介します。
唾液の大切な働き
虫歯や歯周病の予防
唾液は、口の中を酸性から中性に戻したり、歯茎を引き締める効果があるので、歯周病の予防になります。
免疫力を高める
唾液の中には、口や鼻から侵入する病原体を防ぐ抗体ⅠgA(グロブリンA)が含まれています。
また、鉄分と結合して細菌の繁殖を抑制するアルブミンや、抗菌作用のあるリゾチームなども含まれています。
消化を助けて胃腸を守る
唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。
アミラーゼは、糖質を分解し、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。
よく噛まずに食べると唾液があまり出ず、胃腸に負担がかかってしまうので、注意が必要です。
一口ずつ、ゆっくりとよく噛んで食べましょう。
ガンを予防する
唾液には発ガン物質を抑える成分も含まれています。
ラクトペルオキシダーゼ、アミラーゼ、カタラーゼなどの酵素には、活性酸素や食品添加物など発ガン物質の毒性を除去する効果があると言われています。
ホルモンを活性化
唾液に含まれるパロチンは成長ホルモンの一種で、新陳代謝を活発にし、からだの中で若々しさを保つ働きをしています。
自分の唾液力をチェックしてみよう
私たちの口の中には、1日に約1.5リットルの唾液が流れていますが、
生活習慣、ストレスなどが原因で唾液量は減少するといわれています。
唾液が十分に出なくなると、口の中が乾燥し舌が荒れてしまったり、唾液力の低下は様々な病気の原因になることがあります。
チェックリスト
□ 食べ物が飲み込みにくい
□ 食べ物の味がわかりにくい□ 食事中に水分や汁物を多く摂る
□ 寝ている時に、喉が渇いて起きてしまう
□ 口が渇いている感じがする
□ 話している時に、舌がもつれる
□ 虫歯が多い
□ 舌苔(ぜったい)が多い
□ 口臭が気になる
□ 口の中が痛い
5項目以上当てはまる場合は、注意が必要です。
唾液の量を増やすコツ
部屋の湿度を上げる
部屋が乾燥していると鼻や口の粘膜も乾いてしまいます。
もし、部屋が乾燥していたら、加湿器などを使って部屋を適度な湿度に保ちましょう。
自律神経を整える
唾液量は、自律神経の影響を受けやすいと言われています。
規則正しい生活や適度な運動をして、自律神経のバランスを整えましょう。
食事はゆっくりとよく噛んで食べる
ゆっくりよく噛んで食べると唾液の分泌量も増えます。
また、食事中に水分を沢山摂りすぎると、あまり噛まずに食べ物を飲み込んでしまいやすいので、水分は食後にしっかり摂るようにしましょう。
噛みごたえのある物、梅干やレモンなど酸味のある食べ物がおすすめです。
肥満防止、認知症(痴呆症)の予防、記憶力の向上。がんを予防し、歯も丈夫になり、ストレスの解消にもなる……。「よく噛んで食べる」ことには非常に多くの効用があり、人間の体を守るさまざまなパワーがあることが科学的に明らかになってきました。しかし、この優れた食習慣は現代日本の家庭から徐々に忘れられつつあります。なぜ「よく噛んで食べる」と健康によいのでしょうか? 本書ではそのメカニズムを詳しく解説します。今こそよく噛んで食べて、人間が本来持っている力を取り戻しませんか?
楽しく話す・笑う・歌う
家族や友人と楽しくおしゃべりしたり、好きな歌を歌うだけで、唾液量は安静時のなんと10倍に増えると言われています。
口呼吸に注意! 鼻で呼吸する
無意識のうちに口呼吸になってしまう人は、口の中が乾燥しやすいので、意識的に鼻で呼吸するように心がけてくださいね。
唾液腺のマッサージ
唾液は、年齢に関わりなく、マッサージなど外から刺激することで、分泌量を増やすことができます。
口の中の粘膜には「小唾液腺」があり、口の左右両側には「耳下腺・顎下腺・舌下腺」という3つの大きな唾液腺があります。
気持ちが良いぐらいに、優しくマッサージしてみましょう。
【 耳下腺 】 耳たぶのすぐ下あたりを指でぐるぐると回すように1分間程押す。
【 顎下腺 】 顎の骨の内側あたりを親指で1分間程押す。
【 舌下腺 】 舌の付け根の下あたりを親指で1分間程押す。
まとめ 唾液量を増やすことは病気予防になる
唾液量を増やすことは、健康にいいことばっかりですね。
唾液は、お金もかからず、天然の万能薬!
唾液量を増やして自然治癒力をどんどんアップさせましょう。
のべ60万人のお口の中を見てきた歯科医がたどり着いたこと――虫歯や歯槽膿漏予防だけでなく、病気予防にもなるのは「だ液」の量を増やすことだった。
本書では、虫歯にならない、風邪をひかない、胃腸が強くなる……etc. 健康を維持するために日常でお金をかけずにできること――だ液を増やすちょっとした習慣(食べ物、食べ方、姿勢、お口エクササイズなど)を紹介します。
主な内容
第1章 口の中が潤う人は病気にならない!?
第2章 唾液の力はこんなにすごい!
第3章 唾液が増える7つの生活習慣
第4章 速効エクササイズで潤いましょう!
「口呼吸をしている」「唇が乾燥している」「口内炎がよくできる」「急に虫歯が増えた」「ほっぺたをよく噛む」心当たりが1つでもある方は要注意です。何歳からでも唾液は増やせます。健康長寿を目指す方は、今すぐお口ケアを始めましょう。